化学物質などによる、生物に悪影響を与える性質をいいます。通常は、毒性は一般毒性と特殊毒性に分けられます。
一般毒性は、血液検査、尿検査、病理組織学的検査などのような一般的な方法で観察できる毒性のことで、急性毒性と慢性毒性に分けられます。
例えば、お酒にはエタノールというアルコールの一種が含まれています。少しなら酔っ払って気持ちが良くなり、良いこともあります。しかし一度に大量に飲む(暴露)と、急性アルコール中毒になります(一般毒性)。また、毎日飲み過ぎると肝臓などに害が出ます(慢性毒性)。
特殊毒性は、吸入や経皮などの特殊な投与方法によって現れる毒性や、遺伝毒性(変異原性)、発がん性、生殖毒性(繁殖毒性)、催奇形性(発生毒性)などの特殊な観察法によって評価される毒性の事をいいます。医薬品等の評価などのために試験されます。
ちなみに、中毒とは、有害物質を飲み込んだり、吸い込んだり、皮膚や眼、または口や鼻などの粘膜に接触したときに生じる有害作用です。中毒を起こす可能性のある物質としては、処方薬や市販薬、違法薬物、ガス、化学物質、ビタミン類、食べもの、キノコ類、植物、動物の毒などがあります。