顔には皮脂腺や汗腺などが数多く存在しているため、発疹が起きやすい部位だと言えます。比較的頻度が高い病気の場合もあれば、注意が必要な病気の症状である場合もあります。
比較的よくある病気が原因として以下のようなものがあります。
いわゆる「にきび」のことです。毛穴に皮脂が溜まってできた発疹を「白にきび」、白にきびにアクネ菌が感染して炎症反応が起こった状態を「赤にきび」と呼びます。症状の進行に応じて皮膚の隆起や赤みを生じ、重症化すると皮膚の陥没や色素沈着を起こすこともあります。
「かぶれ」とも呼ばれます。特定の物質の皮膚への接触が原因となって起こる皮膚の炎症で、シャンプーや化粧品など、さまざまな物質が原因になることがあります。小さな赤い発疹や、水ぶくれなどが現れるほか、皮膚のかゆみや痛み、ただれが起こることもあります。
酒さは、通常は顔面の中央部に発赤と小さな吹き出物が現れ、皮膚の下の血管がはっきりと見えるようになります。典型的な症状として、頬と鼻に生じる発赤、細い血管が見える、ときに小さな吹き出物などがあります。毛細血管が広がり、通常よりも多くの血液が流れることから酒さの症状は現れます。
一般的に「乾燥肌」と呼ばれる状態が悪化した症状のことです。皮膚の保湿環境を保つためのバリア機能が失われ、ちょっとした刺激で皮膚に炎症を起こすようになります。皮膚炎を発症すると皮膚にかゆみ、赤みなどが現れます。
かゆみを伴う湿疹が現れる病気で、回復と悪化を繰り返すことが特徴です。アトピー性皮膚炎はさまざまな原因が組み合わさることで起こりますが、汗をかきやすい夏や乾燥しやすい冬に悪化する傾向があります。
皮膚の一部に少し膨らんだ発疹(膨疹(ぼうしん))が現れることが特徴で、一般的にかゆみを伴います。 症状が続くことは少なく、その多くが短時間で消失します。食物やストレスが原因となるものもありますが、原因が不明のものも多いです。また、アレルギー反応の症状として現れることもあります。
水痘帯状疱疹ウイルスにより起こる病気です。初感染時には水痘(俗に言う「水ぼうそう」)と呼ばれますが、その後も体内に隠れたウイルスが免疫機能の低下などによって再活性することで帯状疱疹として発症します。ぴりぴりとした皮膚の痛みに始まり、赤みや水疱などの皮膚症状が現れることが特徴です。