髪は、地肌から出ている部分を毛幹、地肌の中にある部分を毛根と呼びます。毛根の一番奥の毛球で、髪の元となる毛母細胞が、毛乳頭からの指示で、分裂・増殖し、各部位に分化しさらに角化したものが毛髪です。
毛髪は、角質化したたんぱく質であるケラチンでできています。皮膚にたとえるなら、角質層や老化角質に相当します。毛幹部といわれる目に見える髪の毛は、枝毛・切毛になって傷付くと再生することはできません。外側からキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)そして中心部であるメデュラ(毛髄質)の3層構造になっています。
間充物質(マトリックス)とは毛髪のコルテックス(毛皮質)の中にあり、コルテックスには、フィブリルという結晶性ケラチンタンパク質が束状にたくさん入っているのですが、そのフィブリルとフィブリルの間を埋めてフィブリル同士を接着している物質です。
間充物質には2種類あります。マクロフィブリルの間を埋める間充物質は、メラニン色素、NMF、非ケラチンタンパク質で、親水性が高い性質です。マクロフィブリルの中にあるミクロフィブリルの間を埋める間充物質は、非結晶性のケラチンタンパク質で疎水性です。
毛髪の元となる毛包幹細胞と色素幹細胞は毛包のバルジ領域に存在します。
バルジ領域で作られた色素幹細胞は毛球部に移動してメラニンを産生し、そのメラニンが毛母細胞に取り込まれます。つまり、バルジ領域の色素幹細胞が少なくなると白髪が生えることになります。
また近年、毛包幹細胞は色素幹細胞の生存、増殖をサポートすることがわかってきました。