脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の密度が高い部位(顔面、頭皮、胸骨など)の皮膚や、わきの下、足の付け根などの皮膚がこすれて摩擦を受ける部位に生じる皮膚炎です。通常、皮脂の成分や分泌は正常で、常在菌でカビの一種であるマラセチア菌の増殖が考えられます。発生率や重症度は、遺伝因子、精神的または身体的ストレス、および気候の影響を受けるようです(通常は寒冷で悪化する)。
患部に白から黄色のうろこ状のフケをともなう紅斑がみられるのが特徴です。頭皮の場合には、フケの量が増え、洗髪してもすぐにフケが出るといった症状もみられます。また、特に男性の場合、脂漏性皮膚炎と脱毛症状を併発するケースも少なくありません。
多くみられるのは、乳児期の「乳児脂漏性湿疹」と、中高年以降の「成人期脂漏性湿疹」で、症状が落ち着いてもしばしば再発することがあります。
乾癬は皮脂の多いところに限らず全身に症状が及びますが、髪の生え際にのみ症状が現れた場合には脂漏性皮膚炎と乾癬を区別することが難しいことがあります。
自己判断せず医師に相談してください。